【相続を“争続”にしないために】トラブル事例3つ [相続11]

相続のトラブルの画像

多額のお金が動いたり、多くの負担が遺族にかかったり、なかなか一筋縄ではいかないのが相続。

うっかり、手続き上のルールを見落としてしまうと、遺族の間でトラブルになってしまうこともあり得ます。

今回は、実際にあったトラブルの例を元に、相続を“争続”にしないためのポイントを解説していきます。

お嫁さんが介護などをしていたケース

義娘が介護した場合の相続の画像

山田さん(仮)のお宅では、高齢の母がなくなり、子である兄と弟で財産を分けることに。

亡くなった母は遺言を残しておらず、兄と弟の間では、兄が不動産を2000万円分、弟は現金を500万円で遺産を分割するということで合意していましした。

金額的には不平等ではありますが、弟が「兄には散々迷惑をかけたので」という理由で兄弟の間では合意に至っていたのです。

しかし後日。

弟の妻が兄の家にやってきて、「お義母さんの介護をしたのは私。この遺産の分け方はあまりにも不平等!法定相続分どおりの配分でなければハンコを押さない!」と言ってきたのです。

遺言書がない場合、相続人同士の遺産分割協議が終わらないと、預貯金口座の凍結解除や名義変更などの手続きを行うことができず、このままでは他の様々な死後の手続きも進めることができません。

結局山田さんは、家庭裁判所に遺産分割調停を依頼することに。

家族同士で法廷争いを行うことになったため、余計にお金がかかり、相続できる遺産が減ってしまいました。

〈遺言書がないとトラブルに〉

元々仲の良い兄弟でも、遺言書を残しておかなければ、相続に関して何かしらのトラブルは必ず起きてしまいます。

一番多いのが、今回のように、妻が登場してもめるケース。

特に、財産を法定相続分どおりに分けられそうにない場合には注意が必要になります。

〈介護があった事実を遺産分割に反映させる方法〉

介護をしている人の画像

もし今回のケースのように、介護があった事実を遺産分割に反映させたい場合、介護の寄与分を主張することも可能です。
(これは2019年に改正された新ルールになります。)

ただしこれには、生前に準備が必要。

家族は、介護記録をつけておくことが必要条件となります。
介護記録は、何年何月何日に、何時間介護したか、介護内容などを詳しく記入しておくようにしましょう。

請求できる人は、6等身以内の姻族。
請求に必要なものは、正確な介護記録です。

相続開始から6ヶ月以内に家庭裁判所に申し立てましょう。

遺言書を作る側は、
 ・介護記録が存在すること
 ・介護記録の事実を元に、遺産分割に差をつけること
の2点を明記しておくことで、遺産を残したい人に、お金や財産を渡すことができます。

親族の死をきっかけに、熟年離婚、熟年家族解散などにならないよう、十分気を付けて準備しておきましょう。

遺言書が後から出てきたケース

遺言書の画像

佐藤さん(仮)の親族たちは、父の死後、遺言書通りに遺産の分割が済んでいました。
遺産分割の内訳は、兄に不動産1000万円分と現金500万円、弟には現金1000万円です。

しかし、後から日付が新しい遺言書が見つかったのです。
父は遺言書を書き直していたということになります。

しかも、新しく見つかった遺言書の内容は、兄にとっては全く納得のいくものではありませんでした。
兄には現金100万円のみで、弟に不動産1000万円分と現金1400万円を相続するというのです。

遺言書は出てきた時点で遺産分割再協議が必要となり、相続人全員が同意していない場合には、遺言書の存在を無視することができません。

佐藤さん兄弟は、家庭裁判所で遺産分割調停を行うことになり、この相続トラブルがきっかけで兄弟仲は修復不可能となってしまったのです。

〈遺言書が複数存在していた〉

これは、自筆証書遺言を作成している場合に多いトラブルです。

2020年7月からスタートした新制度を利用して、法務局で遺言書を保管してもらうことで防ぐことができます。

もし複数の遺言書が出てきてしまった場合、遺言書に時効はないため、2通目が出てきた時点で遺産分割再協議を行う必要があります。

相続人全員が同意していれば、後から出てきた遺言書は無視することができます。

〈遺留分を無視した内容の遺言書はトラブルの元〉

遺言書でのトラブルの画像

遺留分とは、法律で定められた最低限度の遺産取得割合のこと。
子が相続人の場合には、法定相続分×1/2になります。

たとえ遺言書であっても、遺留分を無視した内容で遺産を分割することはできないので、今回の場合は兄は遺留分の625万円を請求する権利が発生します。

遺留分を無視した遺言書は、今回の事例のように、後に家族仲を壊してしまう原因にもなります。

必ず生前に相続人に相談をしたり、説得したりしておくようにしましょう。

〈遺留分の放棄という方法も〉

どうしても財産がうまく分けられず、偏ってしまうという場合には、生前に相続人に相談しておいて、遺留分を放棄してもらうよう家庭裁判所に申し立てることも可能です。

遺留分の放棄とは、「自分がもらえる財産が、遺留分以下やゼロだったとしても合意します」という意志を証明する手続きです。

遺言書を作成する際に、遺産の配分が上手くできそうになく、トラブルになりそうであれば、あらかじめ準備をしておき、遺留分を放棄してもらうよう相続人を説得する必要があります。

遺留分の放棄に必要な書類は、
 ・申立書
 ・被相続人の戸籍謄本
 ・遺留分を放棄する相続人の戸籍謄本
 ・収入印紙(800円)

父の前妻の子がいたケース

遺言書で驚く人の画像

田中さん(仮)のご家庭では、父の死後、相続人は息子一人だけだったので比較的スムーズに死後の手続きを行うことができました。

しかし、父の死後から数ヶ月後、なんと存在を知らされていなかった父の前妻の子が現れ、遺産をもらう権利があると主張してきたのです。
田中さんは、父親に離婚歴があることは知っていましたが、子どもがいたことは知らなかったとのこと。

前妻の子にも、同じように財産を相続する権利があり、法定相続分は他の子と同じです。

この後田中さんは、代償金として遺留分相当額の数百万円を支払うことになりました。

〈他の相続人がいないかを必ずチェックする〉

故人に離婚歴がある場合、故人の出生から死亡までの戸籍謄本をしっかりと確認して、子どもがいないか確かめましょう。

生前家族に、前妻の子の存在を言えなかったという場合もありますので、くまなくチェックすることが大切です。

〈前妻の子の存在を無視した遺言書を作らない〉

遺言書を作成する場合には、ルールを守って遺言書を作成しておかないと、後々家族に多大な迷惑をかけることになってしまいます。

家族に話していない子の存在がいる場合には、遺産をどのように分けるつもりなのかを全ての相続人と生前に話しておくことが大切です。

相続が“争続”になってしまいやすいケースを覚えておこう!

相続トラブルの画像

死後の手続きや相続について、遺族だけがルールを知っていても、トラブルが起きてしまうケースも多くあります。

特に今回解説してきたような、
 ・自筆証書遺言を作り直す場合
 ・法定相続分どおりに遺産分割をしない場合
 ・離婚歴があり前妻との間に子がいる場合や、離婚歴がなくても非嫡出子(婚外子)がいる場合
などは、遺言を残す人が生前に正しく準備をしておくことがとても重要になります。

家族に隠していることはないか振り返り、自分の家族の法定相続分について予め調べておくことで、正確な遺言書作成の準備を整えることができます。

また、遺言の正しい書き方や保管の仕方についても調べておくことが大切です。

家族に迷惑をかけたり、トラブルが起きたりしないよう、最善の準備をしておきましょう。

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