遺贈寄付とは?
「遺贈」とは、遺言書によって財産の全部または一部を無償で贈与することを言います。
この仕組みを利用して、遺言書によって自分の遺産を寄付することを「遺贈寄付」と言います。
「遺贈寄付」は、相続人以外にも財産を分けることができ、自分の財産から指定した団体や法人などに寄付をすることができる仕組みです。
「生きた証を社会に残したい」「自分の遺産を社会のために役立ててほしい」「残された家族に対して誇りとなるものを残したい」などの理由で、贈与寄付を行う人は増えています。
遺贈寄付の手続き方法
贈与寄付を行うに当たって必ず必要になるのが、遺言書。
遺言書に以下の2点を正確に記載しておきましょう。
①寄付先の正式名称
②寄付する金額
①については、どのような思いで寄付をしたいのか、自分の意思を合わせて書いておきましょう。
②については注意が必要で、相続人の遺留分を無視した内容にしないことが重要になります。
死後に突然、自分たちの遺留分を無視して団体や法人に財産を寄付するという内容の遺言書が見つかれば、家族が納得することは難しくなります。
遺贈寄付を考えている場合には、生前に家族と話し合っておくようにしましょう。
遺贈寄付先一覧
ご自身が築き上げて来られた大切な遺産。
贈与寄付をしたいとお考えの方に向けて、信頼度の高い寄付先を集めましたので、参考にしてみてください。
〈未来の子どもたちの支援をしたい〉
・あしなが育英会
親を亡くした子どもの奨学金などを、匿名で支援できます。
「奨学金」「アフリカ遺児高等教育支援100年構想」「あしなが活動全般」など、用途を遺言書に明記することで、その内容に従って支援を行うことも可能。
寄付は現金だけでなく、株券や不動産などで行うこともできます。
経済的に不利な環境に置かれている子どもたちの支援をしたいという方におすすめです。
連絡先:03-3221-0888
公式ホームページ:https://www.ashinaga.org/support/leave-a-legacy/
・カリタバ
どんな環境に生まれ育っても、未来を作り出す力を育める社会を目指して、全国で事業展開をしている団体。
東北や熊本の被災地の復興を支援したい、生活困窮世帯の子どもたちを支えたい、次世代の若者の支援をしたいという方に。
寄付すると、遺族宛の感謝状が贈られます。
連絡先:03-5327-5667
公式ホームページ:https://www.katariba.or.jp/donate/bequeath/
・ワールド・ビジョン・ジャパン
アフリカやアジアなどの貧困層の子どもたちの生活を支援したいという方に。
「子どもたちの教育のための学校を建設したい」「家族で訪れた思い出の地の子どもたちを助けたい」などの希望を伝えることで、一人一人に合わせたふさわしい支援を提案してくれるサービスも。
遺族宛に寄付についての報告書や感謝状などが届けられます。
連絡先:03-5334-5351
公式ホームページ:https://www.worldvision.jp/donate/testamentary.html
・芸術家と子どもたち
プロのアーティストと子どもたちの出会いの場を作り、将来の芸術家としての子どもたちの才能を発掘し育成するために活動している団体。
民間NPOの立場から、アートの力で子どもたち一人一人の輝きを引き出すことで、子どもたちが直面するいじめや貧困など様々な問題にアプローチし、より良い社会や相続的な未来を作る活動をしています。
子どもたちの芸術活動を支援したいという方に。
生前に実際の活動現場を見学することも可能です。
連絡先:03-5906-5705
公式ホームページ:https://www.children-art.net/support/donation/
・各部活の後援会・OB会
母校の部活を支援したいという方に。
・各自治体の教育委員会
地元の子どもたちや母校の教育を支援したいという方に。
各自治体の教育委員会に連絡をして、寄付をしたいという旨を伝えると、出納係を通して寄付を行うことができます。
後日、遺族が代わりに表彰してもらうこともあります。
〈動物・自然・環境保護の支援をしたい〉
・世界自然保護基金ジャパン
世界自然保護基金ジャパンは、企業に対する二酸化炭素低減策の提案などの環境保護活動をサポートしている団体です。
「地球温暖化を食い止める手伝いをしたい」「自分の遺産を地球環境の保全に役立てたい」という方に。
年に数回、遺贈寄付に関する説明会も行っているので、参加してみるのも一つの方法です。
連絡先:03-3769-1241
公式ホームページ:https://www.wwf.or.jp/donate/legacy/
・日本野鳥の会
野鳥の保護活動や、国内の重要野鳥生息地166カ所の保全活動を行っている団体。
野鳥保護区の名称に、寄付者の名前を残すことができます。
連絡先:03-5436-2630
公式ホームページ:https://www.wbsj.org/support/kifu/
・ピースワンコ・ジャパン
殺処分ゼロを目標に掲げ、引き取り手のいない犬を保護して飼育している団体。
NPO法人であるため、寄付した額は相続税から控除されるのもメリットです。
殺処分されてしまう犬たちを助けたいという方に。
連絡先:0847-89-0039
公式ホームページ:https://peace-wanko.jp/support.html
〈医療や福祉を支援したい〉
・国立がん研究センター
国立がん研究センターでは、がんになっても安心して暮らせる未来を実現するために、国立がん研究センター基金を設立しました。
10万円以上の贈与寄付を行う契約を結ぶことで、希望者は、国立がん研究センター内の銘板に名前が掲載されます。
連絡先:03-3547-5201
公式ホームページ:https://www.ncc.go.jp/jp/d004/donation/index.html
・iPS細胞研究基金
iPS細胞研究所(CiRA)は、日本のiPS細胞研究を先導する研究機関。
寄付を行うことで、多くの難病や障害を治療できる新しい医療の実用化を支援することができます。
寄付したお金は、iPS細胞の研究費用などとして利用され、遺族宛に山中伸弥所長名の感謝状が贈られます。
100万円以上の寄付を行うとで、京大時計台記念館の銘板に名前が掲載されます。
連絡先:075-366-7152
公式ホームページ:https://www.cira.kyoto-u.ac.jp/j/fund/
・赤い羽根共同募金(各自治体)
地域の社会福祉活動を支援することができる募金。
各都道府県で寄付を受け付けています。
個人の住民税の控除対象となる場合もあるので、節税対策になる場合も。
公式ホームページ:https://www.akaihane.or.jp/izou/
〈難病の子どもたちと家庭を支援したい〉
・難病の子どもとその家族へ夢を
難病を患った子どもだけではなく、その家族や母親たちも笑顔を失い、看護する家族を精神的身体的に追い詰めるだけでなく、社会的孤立を招いてしまっている現状。
彼らに笑顔を取り戻す場と機会、社会との接点を提供するため、難病を持つ子どもの家族に家族全員旅行をプレゼントすることができます。
遺言による贈与寄付を行うことで、相続人の代表者に遺族追賞として木杯や褒状が贈られます。
連絡先:03-6280-3214
公式ホームページ:https://www.yumewo.org/donate/
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